鍼や灸、あんま、マッサージは単独で行っている人は少なく、一人で何役もこなしている人も多いです。そのため、これらのうちどれか一つの資格を取得していれば、すべての業務が行えると思われがちですが、実はそれぞれ鍼は鍼師、灸は灸師、あんま、マッサージ、指圧はあんまマッサージ、指圧師という資格に分かれています。そして、それぞれ自分が持っている視覚以外の業務は行えない、業務独占資格となっているのです。
かなり前の話ですが、西洋の医学が発達してからは鍼師や灸師などに興味を持つ人が少なく、また鍼や灸、あんま、マッサージ、指圧などはつぼという体の中にある繊細な部分を刺激することによって治療するという繊細な行為を行うため、昔は指先が繊細な人が多い盲学校などで勉強することが多かったようです。
近年では、東洋医学のつぼなどが見直されるようになり、鍼、灸師の養成大学や専門学校が次々と建てられ盲学校以外でも鍼師や灸師などを目指して勉強する人が増えてきました。
一方で、鍼や灸、あんま、マッサージ、指圧などの資格を取得した人たちの資格取得後の就職先は非常に少ないのが現状で、資格を取得した後廃業してしまう人も少なくありません。自宅で治療院を開業したとしても、その仕事だけで生計を立てていくのは非常に大変なことのようです。
そのため、鍼や灸師のほかに柔道整復師の資格も取得して、保険診療を行う傍ら、オプションとして鍼治療などを行う人も増えているのが現状です。