近年では融合しつつある2つの医学

医学と一口にいっても、東洋医学と西洋医学の2つがあります。
一般的に病気や怪我をしたとき、病院に行って受けることができる治療は西洋医学です。西洋医学は、現代医学であり、外科手術や西洋薬などが代表的な治療方法です。
しかし、近年は西洋医学だけでなく、東洋医学への注目度が非常に高まりつつあります。東洋医学とは、漢方薬や鍼灸治療などのことです。西洋医学のように直接アプローチするのではなく、人間が本来持っている自己治癒能力を高めたり、体質改善をしたりして治療します。

東洋医学が注目されている理由については、根本治療をしようという考え方が広まってきているからです。西洋医学は対処療法的なもので、一時的な改善のみで根本的な治療になっていないものが多いからです。
一方の東洋医学は、病気の原因を考えた治療なので、根本治療に近いとされています。また、西洋医学でも原因がわからないような、なんとなく体がだるいなどのような症状を抱える人が多くなったのも、要因の1つといえるでしょう。

一昔前までは、西洋治療を行っている病院やクリニックで、漢方薬を処方されることはほとんどありませんでした。
しかし、近年では、診療科に漢方科を擁していたり、漢方外来を行っていたりするところも非常に多くなってきています。西洋医学によって今ある痛みや症状を抑え、東洋医学によって根本的な改善を目指すのです。東洋医学と西洋医学のそれぞれのいい部分が融合した医療が、近年では多くの現場で行われています。